1 特別支援教育の特性
特別支援教育の必要性は、年々高まっています。というのは、普通学級に困り感を抱えたお子さんが非常に多くなってきたということです。潜在的にいたお子さんが、はっきりとしてきたと言ってもいいかもしれません。
この困り感とは、知的なものであったり、他者と交流し集団活動を適切に行うことができないソーシャルスキル的なものだったりします。
前者の場合でしたら、学習内容を五感的なものを使って分かりやすくするという手法があります。目で見てとらえ視覚に訴えたり、耳で聞いて聴覚に訴えたりする方法です。
教科書と黒板を見比べるだけの活動では、印象に残らず理解がすすんでいかないということです。目・耳・手の感触などを駆使して理解を高めていくことが、知的に困難さを抱えているお子さんに有効な学習方法です。
また、手順などの学習の筋道をはっきりさせることも重要です。最初に何をして、次に何をする、最後に何をすると見通しを明らかにすることで安心して学習に取り組むことができます。
2 プログラミングの有効性
特別支援教育における有効性は、まさにこの視覚的・聴覚的・触覚的に捉えることができるというところにあります。
「スクラッチ」等の言語で作成したプログラムは、画面の上で分かりやすい数字や文字・その他などのキャラクターでいっぱいです。しかも、動きがついているのでアニメ的であり、より視覚に訴える仕様となっています。
音のブロックを配置することで、聴覚的にも面白く興味が持てるものに仕上げることができます。それらは、ブロックを触覚的に触って動かすことで実現するので、その意味では触覚的なものも活用していることになります。
プログラムを使った授業例を見てみると、その活動の生き生きとしていることがよく理解できます。通常学級よりも反応が少なめな特別支援教育でも、大きな興味と反応が得られ、子ども達は生き生きと取り組むことができています。
普通学級でも、昨今改めて「課題」と「まとめ」、「予想」や「自力解決」「集団解決」などの学習過程を大切にした授業を心掛けたいと言われています。授業の見通しを子ども達に持たせるためです。
五感の利用や見通しを持った学習過程は、授業において大切にすべき点ですが、特別支援ではより重要視されるのは、その効果に裏付けされているからです。