1 割り算の意味
割り算は、小学3年から学習しますが、かけ算の反対の計算や九九の片方を見つける計算という感じでとらえている方がおおいでしょうか。ここには、小学から中学へと続く算数・数学の大変重要な内容が含まれているのです。
割り算には、等分除と包含除の2つの計算の意味があります。等分除は、その名の通り等分にした時の数量を出すものです。それに対して包含除は、その数量の中にある数量が何回含まれているかを出すものです。
具体的な問題文で言うと、前者は「12このおかしを3人で分けると一人何個ですか。」という問題で、後者は「12このおかしを3こずつ分けると何人に配れますか。」というような問題になります。
どちらも12÷3で答えは、4となります。ですが前者は1あたりの数で、後者はいくつ分の数を求めているものです。簡単に言うと、4×3=12の九九において、最初の4を求めるか2番目の3を求めるかの違いです。
もっと言うと4は、1人あたりの個数を示していて、3は3人分の3倍という割合を示しています。つまり基準量を出すのか割合を出すのかという違いです。
これはもう「割合」の単元の考え方なのです。小学3から6年まで脈々と学習し全国学力試験などでもお馴染みで正答率の最も低い小学生の強敵である分野です。
2 割り算とプログラミング
この小学校で最も課題があり重要性の高い学習が、割り算のもとになっているという事実は、6年間の算数内容を縦軸的に見ていかないと気付かないことです。
初歩的なかけ算や割り算のうちから、その意味をしっかりととらえることが大切です。そのためには、意味を理解しやすいアニメ化をすることが効果的です。スクラッチのプログラミングは、この課題に適していると言えます。
図のように、箱からミカンが飛び出してきて7個ずつ袋に入っていきます。何袋できるでしょうかという問題です。
1袋あたりの基準量が7であることや6袋(6倍)の数にしたものが42個であるという数字の意味するところがアニメで理解できます。
小学校に入学して、2年生では「×」の記号を学び、続けて3年生では「÷」の記号を学ぶので、計算を正しくすることだけに集中してこなすようになってしまいがちです。
ですが、ここに算数の神髄と言える学習が潜んでいることを忘れてはなりません。