算数の考え方とプログラミング

1 算数問題の考え方

算数の学習内容は、大きく分けて計算・図形・文章問題があります。どのような問題にしても、3つの考え方で解いていくことができます。

1つ目は、「代入」です。公式やきまりに数字を当てはめて答えを導き出します。きまりを理解すれば、または理解しなくても数字をうまく入れれば自然と答えが手に入ります。これは、数字が変わっても同じやり方で正解できるところがいいですが、意味合いをきちんと理解しなくてもできてしまうので、文章問題などになったときに難しくなります。

2つ目は、「置き換え」です。難しい式や考えにくい問題を簡単に理解しやすい△や〇などの記号や文字などに変えて、問題全体を考えやすいものにします。算数や数学では独特のやり方で、正解を導き出すのに大変有効です。

3つ目は、「図や表で表す」です。どうしても問題の意味がつかみづらいときに、線分図や表に整理すると、解く方法や正解が見えてきます。算数特有の地道な「しらみつぶし」的な解き方をするときにも役に立ちます。数式だけ眺めていても見えづらいことが、絵的なものにすると見やすくなるということです。

2 プログラミングとの関わり

算数・数学の考え方とプログラミングとの関係を考えてみたいと思います。

「代入」の考え方は、プログラミングの中では、変数の扱いとして登場します。例えば、「回数」という変数を作ったとして、1回処理される度に、回数=回数+1という式に代入されて、「回数」が1であれば次に1+1で2になるというものです。数式などの中に変数が代入されて表現されるわけです。

「置き換え」の考え方は、スクラッチの定義ブロックのように、全体の一部分にあたる小さなプログラムをサブルーチン化して名前を定義すれば、複雑なプログラムがすっきりとして工程が分かりやすくなります。

「図や表で表す」の考え方は、プログラムを設計するに当たって、アルゴリズムで表すという手法があるように、考え方や処理の流れをつながっていく図で表すと分かりやすいということです。

他の教科でもプログラミング的な考え方はできるでしょうが、算数・数学は一番相性がいいと言えます。それは、算数・数学が論理的な思考で解決していく教科だからだと言えます。プログラミング的思考を鍛えるとは、聞きなれない言葉でしたが、算数そのものがよく適している学習であり、これまでも取り組んできた学習であったということです。