言語「スクラッチ」の良さ

1 プログラミング教育の目標に適している

様々なプログラミングがあり、様々な言語があるプログラミング教育の世界ですが、教育の目的に照らして、適しているものは何でしょうか。

低学年のように、まだまだ思考を組み立てることが難しい年代では、言語「ビスケット」のように絵を描くことでプログラミングされる方式がよいでしょう。しかし、この言語は、あくまで絵を描いて、事前と事後の姿を配置することで勝手にプログラミングされるというものです。手始めや導入という意味では適していると考えます。

しかし、本来の目標である「機器の扱いに慣れる」「教科の理解を深める」「プログラミング的思考を身に付ける」という点から言うと多くの授業例がある言語「スクラッチ」を使う方法が適していると考えます。

2 言語「スクラッチ」の特徴と利点

「スクラッチ」では、ステージの中にたくさんのキャラクターを配置することができます。また、背景画をセットすることもできます。また、これらの絵を消したり出したり、あるいは動かしたりすることもできます。効果音や吹き出しの言葉を付け加えることもできます。

算数的なことで言うと、四捨五入や乱数なども活用できます。多彩な機能がブロックとして存在するので、組み合わせ次第で様々な表現をすることができます。

そして、その表現をさせるプログラムが、ブロックを組み合わせることで実現できるところが利点です。マウスだけではなく指で移動させて組み立てていくことができます。

それは、処理の流れを思考しなから組み立てることができるということです。パソコンにやらせたいことを細分化し、順番に実行させたり、同じことを何度も実行させたり、条件と照らし合わせて進むべき道を枝分かれにしたりすることを目に見えるようにブロックで組み立てることができます。

パソコンのドラック&ドロップ機能や数値の入力で機器の扱いに慣れ親しむことができます。

また、様々な教科の内容を取り上げることができます。そして、プログラミングをしながら論理的思考を高めることができます。ビジュアル言語は、初心者向けであり目で見て処理の流れが理解しやすい言語です。ですから、自分の考える通りの表現ができなかったときに、どこでつまずいているか、間違った処理がされているかを見つけやすいと言えます。そこを直してから正しい処理がなされたときには、算数の問題やクイズに正解したときと同じく爽快な気分になることでしょう。そして、自分でもプログラムが作れるという自信につながることでしょう。