リコーダーの押さえ方は、これでバッチリ

1 リコーダーと指の押さえ方

音楽の学習では、3年生から鍵盤ハーモニカに加えてリコーダーの取り組みが始まります。鍵盤を押す指の運び方でも苦労したお子さんが、新しい楽器に取り組むのですから、苦手なお子さんにとっては大きなハードルとなります。

学校では副読本が活用されており、最初に出す音は「シ」からです。なぜかというと、「シ」は、親指と人差し指の2本でリコーダーを挟むように穴を押さえるのみなので、非常に安定していて正しい音が簡単に出やすいからです。

徐々に左手だけで出せる「ラ」「ソ」「上のド」などへ進みます。そして、右手も加えて「ミ」「レ」ぐらいは何とかなりますが、ちょっと複雑な押さえ方をする「ファ」や全部の穴をきっちり閉じていないと正しい音が出ない「ド」などは、難しいお子さんが多いようです。

昔から指導する方法も難しく、子どもと正面から向き合って指の押さえ方を見せたり、横について見せたりなどしながら個人指導が行われました。

全体指導は、鍵盤と違ってなかなか難しいのが現状です。

昔から市販の「リコーダーの運指表」は、下に吹き口がある逆さまのリコーダーの図で、押さえる穴が黒塗りになっているものです。

この向きでは、指の押さえ方を理解するのが本当に難しいです。

2 斜め45度からの絵とプログラミング

そこで、スクラッチを使って、子ども達にも分かりやすい斜めの方向から見える指の押さえ方をプログラミングしてみました。

リコーダーの絵の左には、五線譜と「ド」から「上のレ」までの音符(黒玉)が用意されていて、「このスプライトが押されたら」のブロックで、音を出すことと押さえるべき指が表示されることが同時に処理されるようになっています。

子ども達は、「ファってどう押さえるの」というより、楽譜のこの音はどう押さえるのかを知りたいのです。低学年と違って、ある程度楽譜が読めて演奏するという目標があります。

今まで、一斉指導において教室の後ろの方にいる子ども達には、大変分かりにくかった指導が少し簡単になったような気がします。

「自分で練習してみてね」と子ども達の努力に頼らざるをえなかった部分が、少しずつですが改善されるように思います。