皆さんこんにちは。
つい先日まで紅葉を楽しんでいたと思ったら、気づけば雪が舞い始め、冬の足音が近づいてきましたね。ただ、この後の北海道は例年より少し気温が高めで、冬支度は焦らずゆっくり進められるとのことです。
少し前のことになりますが、秋の余韻を感じながら「芸術の秋」にぴったりのオーケストラ公演に足を運んできました。本当はすぐにでもお伝えしたかったのですが、少し遅れてしまいました。それでも、あの公演の心地よい響きは今も心に残っています。今日は、その体験を通して感じた「本物に触れる」大切さについてお話しさせてください。
生演奏から感じる音楽のしくみと美しさ
先日、小学生と保護者を対象とした、8人編成のオーケストラ演奏会に行きました。普段はなかなか触れることのない生演奏は、聞くという表現では足りず、本当に何かに包まれるひとときといった感じで、贅沢な時間でした。心が豊かになる、という感じでしょうか。
また、演奏に加え、楽器の特徴にも触れ、たとえばヴァイオリンの弓に馬の毛が使われていることやリード楽器の仕組み、そして各楽器が楽曲でどのような役割を果たしているかを教わり、『音楽のしくみ』を楽しみながら学ぶことができました。
特に面白かったのは、曲名を伏せて演奏するという演出。「喜びの曲か悲しみの曲かを想像しながら聴いてみてください」という言葉に、子どもたちは曲の雰囲気やメロディにじっくりと聴き入っていました。タイトルを知らないことで、音楽を“謎解き”するように聴き、発見する楽しさも同時に味わえました。
子どもたちの挑戦心を育む「指揮者体験」
さらに、指揮者体験の企画も用意されていて、子どもたちが自分のリズムで指揮をすると、演奏がどう変わるかを体験することができました。最初に「やりたい人は?」と聞かれたときは、手を挙げた子はほんの少し。しかし、指揮の見本を見せてもらうと、控えめだった子どもたちも次々と手を挙げました。
その中から数名が選ばれて、実際に指揮に挑戦! ゆっくり振ってみたり、速く振ってみたり、振る大きさを変えたりすると演奏がどんどん変わり、子どもたちも自分の指揮で音楽が動く感覚に笑顔があふれていました。
また、親の目線で見てしまい恐縮でしたが、「やってごらん」と促すだけでなく、見本を示すことでハードルが下がり、挑戦しやすくなることを実感しました。子どもにとっては、「見て・真似してみる」という体験が自信につながるのですね。ちょっとしたサポートが「やってみよう」という気持ちを引き出し、生の体験を通じて成長するきっかけになるのだと改めて感じました。
プロ演奏家のエピソードがもたらす本物への憧れ
演奏の合間には、オーケストラのメンバーの方が「いつから楽器を始めたのか」「どうしてその楽器を選んだのか」など、演奏家としてのエピソードも語ってくれました。「始めたのは少し遅くて…」という話や、楽器を選ぶ際のエピソードなど、プロの方でもさまざまな経験を積み重ねて今のステージに立っていることを知り、子どもたちも真剣に耳を傾けていました。
親子で「本物」に触れる機会を作ってみよう
今回、私は都合で大人だけで参加しましたが、次はぜひ子どもたちも連れて行きたい!と思いました。生の音楽は、心に響き、他では味わえない豊かな体験でしたから…。
そう思っていたら、この演奏会の後、次男がオーケストラを聴く機会があり、「ヴィオラの音が好きだった!」と教えてくれました。彼が何かを感じ取ってくれたことが嬉しく、こうした「本物」に触れる機会をこれからも大切にしていきたいと思いました。