1 時刻の読み方
算数の勉強では、足し算や引き算といった計算問題の他に単位に関する学習があります。長さやかさ・時間などです。
その中で最初に学ぶのが時間です。最近は、自宅にアナログ時計がないといったご家庭も多いと思いますが、量的な学習の理解のためには、時間についてもアナログ形式が欠かせません。
何時かという問題では、短い針のさす数字を言えばよいということはすぐに理解できます。
問題なのは、オレンジの分を表す長針の意味理解です。6を指していますが30分を意味しています。算数では、このように同じ場所でありながら2つの数字の意味があってとまどう場面があります。
そこで大切なのが針の動きです。9時をスタートとして、長針を30分動かして見せることが大切です。長針が12から6まで動くことで時間の経過をなんとなく理解し、その経過量が30という数字であるということを徐々に理解していくのです。
子どもの思考を混乱させる要素は、ほかにもあります。よかれと思って長針と短針の色を別にしました。短針は青になっています。しかし、この色はこの時計に限ったことであって、ほかの問題でも通用するものではないのです。しかし、子どもというのは素直な心を持っているもので、青は常に短針と思い込んでしまうところもあります。指導者が気をつける部分です。
問題設定というのは、数字や色・形も含めて指導者が悩むところです。あらゆる子ども達の発想を想定しなければなりません。
2 時計とプログラム
時計のプログラムは、先ほども書きましたように、〇時30分となるときは、12時から長針が動くように仕組まれています。さらに、短針もともなって15度動くようになっています。このとき針の動きを表す効果音も流れて理解を高めます。
子ども達は、まず短針を見て何時なのかを判断します。ちょうど数字を指していればいいですが、15度過ぎていても短針を伸ばしたときに「次の時間の数字を超えていなければ前の時間」という決まりにしたがって読み取ります。読み取り方の手順です。そして、長針は0分か30分を指すようにプログラムされています。
これを教科書では、「はん」と言ってもいいとなっています。「30分」なのか「はん」なのか同じ場所で呼び名が2つあると1年生は悩んでしまいます。慣れないうちは、どちらかに統一する方がよいでしょう。
昔は、手で動かす小さな模型の時計を使用していました。今は、機械で自在に動かした時計を何度も読んで学ぶことができます。