1 筆算はプログラミング的思考
筆算が初めて登場するのは2年生です。「数字に斜め線を引いて1小さくして、10おろしてから引き算」という流れで計算します。誰でも同じ手順で計算できる、まさにプログラミング的思考の流れを身に付けるのにピッタリな計算方法です。
上図は、そのままでは2-7や3-4ができないので、隣の位から繰り下げて計算する引き算筆算の様子です。
10のまとまりで桁が1つ上がっていく、十進法の考え方がもとになっています。
斜線をして1小さい数字を書くことで1借りたことを表し、10を小さく書くことで1つ下の位で10に変化して下りていることを表しています。
筆算で計算すると、横書きの計算式でする暗算とは違って、速く・簡単に・正しく答えを出すことができます。これが「は・か・せ」と言われる合理的方法です。
このやり方を理解し、何度でもできるようになるには、只々練習する必要があります。
2 プログラム化した筆算
このプログラムでは、この筆算の思考順序を再現し表示してくれるようになっています。
しかも、本当の計算の手順どおりに一の位から順に画面左下のソフトキーボードで入力し答えていきます。「あたり」の表示にならなければ何度もやり直すことになります。
スタートの旗をクリックすると、乱数を使った問題が色々と自動で提示されます。
公立学校の「ギガスクール構想」により、一人一台のタブレットPCが配備されているので、子ども達は大きな電子黒板で学んだ後に個々の画面で練習に取り組むこともできます。
これまでは、教師が問題を作成し、多くのノートを消費して、また教師が個々や全体で答え合わせをして練習に取り組んでいました。このプログラムを使えば、教師の出題と採点の手間が省け、鉛筆や消しゴム・ノートの消費もありません。
何よりいいのは、子ども達の能力やスピードに合わせて個々にしっかりと学習できる点です。学習の個別化は今の流れです。最終的には、子ども達の自己実現のために自分で学んでいく力を付けさせるのが教育の目標です。そのためには、個々に対応したやり方が必要不可欠であると言えます。