スクラッチで名刺づくり

1 手仕事の事例

手仕事の事例として、自己紹介カードの作成があります。四月は、どこの学校のどこのクラスでも出会いのホームルーム授業があります。その時には、必ず自己紹介をして交流の第一歩を始めるのではないでしょうか。

特別支援教育でも同様の授業があります。自己紹介で、名前や好きなもの・ことを発表し、簡単なゲームをして交流を始めます。また、朝の会や給食、行事などで通常学級に参加することも必ずあります。そのような交流学級の担任の先生にも挨拶する必要があります。

手仕事で作成した名刺を手に挨拶する事例がありました。言語「スクラッチ」を活用しオリジナルの名刺を作成し、先生に自分のことを分かってもらう第一歩としていました。

名刺には、顔写真や好きなこと・ものについての記述も加えてあります。「スクラッチ」のスプライトとして、顔写真や学校名・名前・自己紹介文などを貼り付けて作っていました。無地もシンプルでいいですが、背景のリストから色々な景色を選んで配置しても素敵です。

2 スクラッチで作成

スクラッチのツールとして、背景を表示させる機能があります。そのままの背景画では、色が濃すぎて文字が読めなくなります。そこで、色の命令として「幽霊」という機能を使い、背景画を薄い色に透けさせて配置します。

また、コスチュームとして外部からファイルをアップロードする機能を使い、子ども達の顔写真を取り込むことができます。粗さの少し目立つ仕様ですが、写真を取り込めるのは大変有効です。

名刺として欠かせない、名前や学校名・クラス名などは、あらかじめ見本の文字を貼り付けておいて、子ども達は文字の書き直しによって自分なりの名刺に変更していきます。

一から全てを作成するのでは難しいでしょうが、ある程度のひな型があって、それを改造していくという作業であれば容易に取り組むことができるのではないでしょうか。

大人でもそうですが、新しいことをするときには先達の作品をまねたり活用したりするところから始めることが合理的ではないでしょうか。

スクラッチは、絵を張り合わせて一つの作品にすることが可能です。そんなところが、小さな子どもや支援の必要な子ども達にも優しくすんなりと入っていけるところがいいところです。

本格的なプログラムではありませんが、素材を用意し加工したり配置を工夫したりして一枚の名刺として表現することは一種のプログラミングと言っても問題ないでしょう。