リズムづくり

1 スクラッチの拡張機能

スクラッチには、様々な機能が備わっています。その一つが音楽についてのブロックです。色々な楽器の音色が聞けたり、リズムを刻むドラムの音を出したりすることもできます。ということは、音楽の学習で、リズムのことを学んだり曲を作ったりもできるということです。

他にも、線やキャラのスタンプを押す「ペン」やパソコンにしゃべらせる「合成音声」・「翻訳」などの機能が追加できます。特に面白いのは、「ビデオモーションセンサー」機能で、ウェブカメラの前で動きを感知すると反応し、その回数を数字で返してくれるというものです。

こうした基本ブロック以外の拡張されたブロックを工夫して、自分なりのプログラムを作ってみるのも面白いですね。

今回は、この「音楽」の拡張機能を利用して、ドラム音をリズムとして学習に生かしている大阪の公立小学校の事例を紹介します。

2 音楽科とプログラミング

実践例では、自分だけの短いプログラムに名前を付けて定義する定義ブロックというものを駆使していました。

「ドン カ カ」「(ウ)ド ドン」「ド コ ドン」「ドン(ウン)」の4小節のリズムブロックを自由に組み合わせて演奏できるようにしています。(※カッコ内は休符)

くりかえしブロックを使って、繰り返して演奏させる準備も整っています。

つなげる順番を変えるとリズムも変わります。2年生の音楽科では、曲「村まつり」に関連して、リズム打ちの理解と作成をする教材があります。この時間の目標は、「リズム譜に親しみ、簡単なリズムを演奏したり、反復を生かしたリズムをつくったりすることができるようにする。」とあり、指導にぴったりのツールといえます。

画面には、音に合わせて音符のブロック表示も出てきます。音と音符を関連付けながら学ぶことができます。

この実践例では、4つのリズムパターンだけでしたが、定義ブロックを用意すれば、多くのパターンを準備することもできます。

この取り組みは、教科書にマッチしていますし、ブロックを組み合わせてプログラミングをしていることにもなります。順次や繰り返しなどのプログラミング的思考も学ぶことができています

さすが文科省のポータルサイトで事例としてあげているだけあって、教科の深化・機器操作の練習・プログラミング的思考を鍛えるという3つの目標を兼ね備えていますね。