文章題の立式

1 算数の式を立てること

教育相談で、お母さまから「うちの子は計算はできるのですが、文章題が難しくて。」という言葉を聞きます。そして、「国語の読解力がないからでしょうか。」と続きます。はたしてそうでしょうか。文章題を正解する力は、読解力とは違うところにあると考えます。

この絵は、立式を入力する定義ブロックです。低学年の場合の答え方としては、ソフトボードによる数字の入力や変数丸ブロックのはめ込みの実践があります。

問題文を読んで、そこから必要な数字に〇でもつけて確認します。次に、どんな計算となるかのキーワードを見つけます。

「ふえた」「くわわった」「のった」「もらった」などがあれば足し算で、「へった」「のこりは」「すくなくなった」「いなくなった」「おりた」などがあれば引き算です。

文を読んで増える問題か減る問題かのどちらかと判断できればいいのです。減る場合は、大きい数から小さい数を引くこともルールです。

足し算か引き算かの判断を正しくする力は、読解力というよりも問題量を数多く経験しパターンを理解し正解体験を多くすることです。

2 文章題の面白さ

大概の問題は、前述のようにパターンを覚えて、順序良く立式し計算していくことで解決できます。

それは、プログラミングのように手順を考えたり、時には繰り返したり、条件で判断したりすることで解決することができます。

しかし、問題によっては、必要のない数字が惑わすために出て来たり、1を引いたり足したりと答えに微調整が必要な場合もあります。これらは、プログラム化することもできるでしょうが、イレギュラーで簡単にはいきません。

全部をプログラム化できないところが、文章題の面白さです。

このような引っ掛け(トラップ)を見破ることも経験のなせる業です。過去に似たような問題で苦い目にあった経験があれば、このようなトラップを見抜き惑わされずに正解にたどり着けるでしょう。

確かに、国語の力・文章を読み取る力がすべての学習に大きな影響力を持っていることは事実です。しかし、算数に限っては、それよりも正解までたどり着いた練習の量がものをいいます。努力しただけ成果の帰ってくる教科と言えるでしょう。算数の実力を伸ばし、他の教科にも自信をつけるといったお子さんをよく見かけます。