助詞の使い方で変化するアニメ

1 文科省のプログラミング教育実践紹介サイト

「未来の学びコンソーシアム」というサイトをご存じでしょうか。プログラミング教育が実施となる数年前に文科省が設置した実践事例紹介サイトです。そこは、まだ概要しかわからず困惑気味の多くの教師が参考になるのかなと思って閲覧しにいった場所です。

上の絵にある助詞の使い方を学ぶ国語の実践も、その中で紹介されていました。定義ブロックに、「を」と「が」の変数ブロックをはめ込んで、文を作成しスタートの緑旗をクリックすると、文に合わせたアニメ的なものが表示されます。

勿論、助詞を入れ替えてはめ込むとアニメの動物も入れ替わるしくみで、スクラッチで作成されていました。

東京の小学2年生の実践で、単元の目標は、「自分が表現したい場面を必要な助詞を選択して文に表すことを通して、文の中における主語と述語の照応関係や助詞の正しい使い方について理解することができる。」です。

試行錯誤して、助詞の変数をはめ込む体験をするところがプログラミングとなっています。

実践では、もう少し長めの助詞を3個はめ込む練習も発展として出てきています。面白い実践で、国文法という無味乾燥になりがちな学習であっても、子ども達の主体的に活動する姿が目に浮かぶようです。

2 プログラムの実際

この実践のプログラムは、文科省サイトにデータとして掲載されダウンロードできるようになっています。

これが、3個はめ込む形式のプログラムです。すっきりとした見た目ですが、ピンクの定義ブロックによって成り立っています。そこで、定義ブロックの中のプログラムをのぞいてみると、何とややこやしいプログラムがたくさん組み立てられていました。

難しいプログラムが、子ども達の目にふれる部分では、簡単な仕様に見せています。

「これは、本当にこの東京の小学校の先生が作ったものなのだろうか?」

私が最初に感じた疑問です。

どうしても気になるので、その学校に電話して問い合わせてしまいました。

回答は、「このプログラムは、学校に協力いただいているサイトの方が作成したものです。」というものでした。

それは当たり前ですね。どう見てもプロの方が作ったとしか思えない内容でした。現場の先生方には、時間がなく複雑なプログラムを組む余裕などないのが現状です。

全国の中で、どれだけの教師が自前のプログラムで実践しているでしょうか。多くは、この例のように学校に協力してもらえる企業や教育機関の手助けで成り立っていると言わなくてはならないでしょうね。