考えをまどわす2本線

1 2本の線分図と割合

小学校の割合問題では、必ず2本の線分図が登場します。図のように片方は代金を表し、もう片方は個数を表しています。この2本の線に子ども達は惑わされてしまうのです。

定規では、例えば3cmのところは3cm以外のなにものでもありません。

ですが、上の図では9の位置が1になっています。いったいどっちの数字なのと混乱してしまうのです。

これは、割合を表すために作られた苦肉の表現といったらいいでしょうか。お菓子1個あたりは9円で、そのとき27円だったら何個買えるかを表現したものです。

つまり、9は「1つ分の数」で、「いくつ分の数」を求める割合を出す問題です。

このような問題が3年生から登場しています。割り算を3年生から学ぶというのは、昔から変わっていません。しかし、発展した割合問題まで、しかも2本線で出てきたら子ども達にとって難しいレベルに引きあがります。

単なる27÷9の割り算問題では片付かない意味合いを含んでいます。

2 割合問題とプログラミング

2本線問題を乱数で出題するプログラム自体は、そう難しくはありません。

しかし、その問題を解く方法までプログラム化していくには十分な問題理解が必要です。

9は1個分の値段を表す数字です。そのお菓子が何個か集まると27円となるので、分かりやすいかけ算の式にすると9×□=27となります。

□は、逆算で27÷9で求められます。(九九の9の段で27になるかける数を求める考え方でもよいです。)

問題を読み、1つ分の数値をとらえ、その数を何倍したら全体の数値になるのかを考える手順で問題をパターン化することができます。

割合問題は、1つ分となる基準の量にいくつ分となる割合(倍)をかけて比較量(全体の数)になるというかけ算式で考えるのが一番理解しやすいと言えます。