なぜ学ぶ?公約数と公倍数の意外な役割

1 公約数・公倍数っていつ使うの?

5年生になると、公約数とか公倍数っていう言葉が出てきますよね。でも、正直なところ、「これって本当に必要なの?」って思うこと、ありませんか?

例えば、大きな紙から同じサイズの正方形を切り出すときとか、2本のバスが同じ時間に出発するタイミングを知るときに使える、なんて教科書に書いてあったりします。でも、実生活でそんなこと、そうそう起こらないですよね。

他には、アメとガムをみんなに同じ数ずつ分けるときに役立つ…なんて話もあるけど、そんな場面、そこまで頻繁じゃない気がします。

結局のところ、「問題のための問題」みたいに感じることもあるかもしれません。それじゃあ、なんで公約数や公倍数を学ぶのか、ちょっと考えてみましょう。

実は、公約数と公倍数を学ぶ理由のひとつが、分数の計算をスムーズにするためなんです。

分母が違う分数を足したり引いたりするときには、分母をそろえる「通分」が必要。そのときに使うのが「最小公倍数」です。

さらに、計算の結果出た分数を、できるだけシンプルな形に直す「約分」では、分母と分子の「最大公約数」を使います。

つまり、公約数や公倍数を理解しておくことで、分数の計算がスムーズになるんですね。学校では「その準備のために学ぶ」って感じです。

2 でも、分数って日常で使うの?

何十年も生きてきて、小数を使う機会はあっても、分数って…正直あまり使わないですよね。

ホールケーキやピザを切り分けるときなんて、感覚で済んでしまうことが多いし、ましてや分数同士の足し算や引き算なんて、ほぼ無縁。とはいえ、割り切れない数を表すには、分数は便利なツールなんですよね。

たまに分数の計算が必要な場面があって、正確な答えが求められたときには、「ああ、勉強しておいてよかった!」って思うことも。でも、やっぱり日常生活で使うことは少ないですよね。

日常ではほとんど使わない、しかも現実ではありえないような設定の問題。そんなものを解くのに興味を持て、と言われても、子どもたちにとっては正直、難しい話ですよね。実際、公約数・公倍数や分数計算の単元では、理解が追いつかない子が多いのが現状です。

本当に必要な場面や、もっと身近な例を取り入れた問題に変えられたらいいなと思います。どうすれば子どもたちが「やってみたい!」と思えるようになるのか、私たちも一緒に考えていけるといいですね。