1 失敗の連続
先生になりたての頃、クラスの子どもたちと一緒に生き物を飼い始めたのですが、失敗続きでした。
まずはハムスター。小さくてかわいい姿に子どもたちも夢中でした。でもある日、ケージから出して遊ばせていたら、教室から脱走してしまったんです。小さな体で、古い木造校舎の隙間にスルリと…。自分で餌を探せるわけもなく、本当にかわいそうなことをしました。
次は、川で捕まえたカエルの卵。子どもがたくさん持ってきてくれて、「育てよう!」と張り切ったものの、うっかり窓辺の直射日光が当たる場所に置きっぱなしにしてしまい…。気づいたときにはドロドロに溶けていました。子どもたちには見せられず、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
高学年のクラスを担当していたときには、理科の教材で使ったメダカを教室で飼っていました。でもそこに、なんと金魚を一緒に入れてしまったんです。次の日、水槽を見たらメダカの姿が消えていて…。食物連鎖の現実を子どもたちに見せることになりました。
そして、教室で飼っていたミドリガメの話。寿命で亡くなったと思い、子どもたちとグラウンドに埋めようとしたのですが、穴を掘って土をかける直前、子どもが「先生!カメが動いてる!」と叫びました。危うく生き埋めにするところでした。その後、カメはしばらく元気に過ごしましたが、今思い出してもヒヤリとします。
2 失敗から学ぶこと
こうした失敗の数々から、たくさんのことを学びました。
- 生き物を逃がさない工夫が必要:飼う以上は環境をしっかり整えること。
- 直射日光はNG:小さな命にはデリケートな配慮が必要。
- 食物連鎖の現実:自然の厳しさもちゃんと理解しておくこと。
- 生と死について考える:命の尊さをしっかり伝えること。
私の失敗は決して褒められるものではありませんが、子どもたちも一緒に学んでくれていたらいいなと思います。命の大切さや、生き物と関わる難しさを少しでも感じてくれていたら、先生としての失敗にも意味があったのかもしれませんね。