漢字のシューティング

1 漢字の学習の困難さ

国語科の学習分野は、大きく分けて6つほどあります。「音読」「読解」「漢字と言葉」「聞き取り」「作文」「書写」です。その中でも漢字は特に興味があるかないか分かれるところです。

漢字は、練習すればするほど、また文章を読めば読むほど身に付きます。しかし、漢字の成り立ちをクイズなどで学ぶことは楽しいですが、漢字そのものは「ただただ書くだけ」では無味乾燥で魅力的な学習とは言えません。

ここに漢字学習の難しさがあります。漢字を学ぶことが大好きで、覚えたい活用したいと思うお子さんは伸びるでしょうし、逆のお子さんは苦痛でしかありません

そこで、ギガスクールのおかげで一人1台割り当たっているパソコンでドリルなどをして意欲的に学ぶことができているお子さんも最近は見受けられます。

2 漢字学習とプログラミング

全国の実践事例では、この漢字学習にプログラミングを活用したものがあります。スクラッチと同じビジュアルプログラミングの種類に入りますが、「ビスケット」という言語です。

「ビスケット」は、絵を描いて「めがね」というツールのレンズに、事前事後の姿を入れることでプログラムが作成される言語です。それと漢字をどう結び付けたのでしょうか。

画面下の方に、例えば「石」という漢字を配置して、画面上には「山」という漢字を絵に描いて配置します。指のマークのツールを利用し画面の「石」に触ることでプログラムがスタートします。「石」は、上に真っすぐ進み「山」にぶつかります。すると「山」と「石」が合体して、新しく「岩」という字が出てくるというものです。

他の文字でも、「力」が上がっていって「田」にぶつかると「男」になるとか、「月」が上がっていって「日」にぶつかると「明」になるなどです。

漢字のつくりを学ぶという目的ですが、子ども達は自分たちで作るシューティングゲームのようなプログラムに夢中です。勿論、教科書をもとに机上では同じことを学ぶ活動が古くから、そして今も載っています。しかし、意欲と興味のレベルが断然違ってきます。

無味乾燥な練習をただ繰り返すだけの漢字学習と、プログラミングを活用した学習とでは、大きな差がつきます。それは、子どもではなくとも大人でも想像することは難くないことです。どうせ学ぶのでしたら楽しくて意欲がわく方がいいに決まっています。