聞いた文を文字にする

1 文を正しく書く力

国語では、小学一年生あるいは入学前に平仮名やカタカナを学びます。その後漢字を学んで、日記などの短い文を書けるようにと学習が進んでいきます。

この正しい文を書くということが、なかなか難しいところです。というのは、促音や拗音そして長音の表記、さらには助詞の使い方、句読点などが課題となるからです。

詰まる音としての代表格である「っ」を抜かしてしまったり、「ゃ・ゅ・ょ」などをうまく使えなかったりするからです。例えば、「ともだちとこうえんへいた。」などの文です。「っ」が抜けてしまっているという間違いに気づかないお子さんもいますが、気づけてもどこの文字の間に挿入すれば正しいのか分からない子も多くいます。

助詞については、「わ」と「は」や「お」と「を」の間違いです。「ぼくわこうえんえいった。」などという文が普通に多数見られます。

耳から入ってくる発音通りに表記している感覚があるのでしょう。子どもらしい素直な考えだと思うところもあります。「は」を「わ」と読めないですし、「お」は「お」と書きたい気持ちになるのも十分理解できます。国語の難しいところです。

また、句読点をうまく使えないところもあります。これらの課題は、音読するときの力とも関わっていると言っていいでしょう。そして、果ては文章の読解力にまで影響すると言えます。

逆の発想で言うと、数多くの活字に触れるように本を読めば、正しい文を書く能力がつくとも言えます。

2 短文を書くプログラム

プログラムを使って短文を表記する練習の実践があります。

前回述べましたソフトキーボードを使用します。説明不足の感がありましたので改めてお伝えします。画面上には、五十音やカタカナの五十音がキーボードのように配置されています。スクラッチの命令を使って、このキーをマウスやタッチしたときに、入力文字に加えていき決定(エンターして入力)できるようにしたものです。

スクラッチの命令とは、そのキーが配置してある「縦横の座標の数字範囲」を条件として、数値の範囲が決められた範囲内であれば、その文字を入力するものです。あるいは別の方法として、配置している場所の「背景の色」を五十音別に変えて設定した場合、「マウスの下の色」を識別し入力することもできます。

このプログラムでは、最初にAI の合成音声が短文を2度読みます。子ども達は、その音声を聞いて、正しい表記を考えながらソフトキーボードをタッチ(クリック)して最後にエンターすると、正解不正解の判定をしてくれるというものです。

個人のタブレットで、緑の旗のスタートボタンを押すと、次々にリストから文を読み上げて出題されるようになっています。

このプログラムを使った練習をすれば、表記を正しくする力が少しずつ着くのではないでしょうか。