節電とセンサー

1 プログラミングに馴染みやすい教科

プログラミングを利用して学ぶ教科としては、算数が学びやすいです。それは、算数がプログラミング的思考である論理的な考え方を必要とする学習だからです。最初に、文章から数字を抜き出して、次に式を立てて、最後に計算して答えを出すというように簡単に言えば手順通りに進めていくことが必要な教科だからです。

勿論、算数ばかりではありません。プログラミング教育の実践は全国的に全教科であると言っても過言ではありません。ただ、取り組みやすい教科としては、理数系の教科である算数や理科が実践が多くあります。

理科での実践は、スクラッチだけではなく似たようなブロックを組み立てていく言語としてスタディーノートなども使われています。

横浜の事例では、人感センサーや照度センサーを用いて扇風機を制御するプログラムを立てる学習が行われています。照度が80パーセント以上に明るくなったとき扇風機を稼働させ、それ未満では停止させるという「もし~なら」の条件ブロックを使った実践です。

2 理科実験とプログラミング

センサーを使った方法としては「マイクロビット」の活用も手軽ですが、ここではUSB型小型扇風機及びセンサーを使用しています。

また、学習の目標は、「人感センサーや照度センサーを用いて、コンピュータで制御することで、人を感知したり、明るさが変わったりすることで、自動的に扇風機を制御するプログラミングを体験する」というものです。

電気製品の制御や持続可能な社会を目指すという昨今の社会の情勢から、節電の方法をセンサーで行うことにプログラムを活用しようとしています。

人感センサーを用いる場合も、ひとが近づいたり感知したりしたら扇風機を動かすという省エネに通じる学習です。

他の教科と比べて、センサー等の教材が必要となり、費用がかかる点が課題です。学校に毎年配分される教材・備品費は限られた予算です。主に消耗品や体育の備品や楽器などの修理・購入費などに充てられてなくなってしまいます。そんな中で理科の教材を買いそろえるのはなかなか難しいことです。

特別な優先順位を得て買いそろえるか、数年に一度あたる理科教育の補助金などをあてに購入するしかありません。

理科のプログラミング教育には、教材準備の投資が必要なようです。