1 総合の時間と調べ学習
総合的な学習の時間が実施されて、ややしばらく経過していますが、開始当初は、社会や理科でもなく、情報教育のみでもなく、そして自分たちで課題設定して探求していく学習であるということで、教師側も混乱する状況にありました。
現状はというと、各地域や学校において学年別のメニューが固定化していて、その内容に基づいて毎年実施している調べ学習が中心の取り組みとなっています。
自然や産業について観察したり調べたりというのが主だったもので、それに社会見学や宿泊学習・修学旅行の関連学習、教育機器の活用と情報教育が混じり合ったものとなっています。
この学習にプログラミングを取り入れて実施したのが東京都の事例です。
「町調べ」と題して、学習目標は「町の案内方法を考えることで、町の一員としての自覚を持って自分と町との関わりを深めていくことができるようになる。」とあります。
お勧めする町のスポットをタッチパネル式の案内表示で魅力的に発信できないかという課題を設定し、情報の収集・整理し案内表示を駅に設置して、利用状況を分析し改良します。
情報発信の方法は、写真や動画、説明文等で順序や動作を組み立てて作成しています。
2 プログラミングの活用
町の特徴や魅力を写真・動画・説明文で案内表示のようにまとめるという事例ですが、まさにプログラミングにうってつけの素材と言えると考えます。
マップ的に整理して、その各所の写真をクリックすると、さらに写真や動画・説明などが表示されるとすれば、手順を整理して順次実行させる流れを作っていけば簡単に実現できるでしょう。
マップの全体像を計画し、素材・資料集めをし、プログラム化するという作業手順になります。
スクラッチの「クリックされたら」ブロックが活用できます。動画を分解して数枚の写真にコスチュームに保存することで、「パラパラ動画」のようなものは実現できるでしょうが、ビデオ再生には適していません。
それでも総合や社会科の調べ学習のまとめとしてデモンストレーションするには、プログラミングが有効です。