1 漢字の書き順の意味
国語の学習で欠かせないのは、漢字の学習です。漢字を読んだり書いたりできなければ、音読や読み取り作文を書くことができません。その意味で、漢字の練習が欠かせないのです。
この漢字の練習をするときに、筆順はどんな意味をもっているのでしょうか。それは、書きやすいことと覚えやすいということです。
筆順の原則は、上から下・左から右の順に書くということです。右利きを想定して考えると、この順序は書き途中の文字が見やすく、文字の並びに従っていて自然です。また、字が整いやすい流れとも言えます。
部首の「かんむり」は漢字の上部に位置し、「へん」は左側に位置しています。ですから、部首を頼りに漢字を覚えたり思い出したりするうえでも、書き順が貢献していると言えます。
2 ビスケットでアニメーションづくり
絵を描いて、「めがね」と言われるプログラムにはめ込むことで、事前と事後の変化を表現することができるビジュアル言語「ビスケット」は、アニメーションを作成するのに最適な言語です。
上図のように、ビスケットの絵を描くツールのところで、重ね書きをしながら1画ずつ作成した漢字を事前に用意しておいて、順に「めがね」にはめ込みます。
このままプログラムをスタートさせると、瞬時に完成した漢字になってしまうので、設定ツールで処理スピードを遅くして(亀のキャラの方へスライドする)表現すると、ゆっくりと1画ずつ書かれていく様子を表現することができます。
これは、漢字を筆順に沿って一画ずつ順次プログラムしていき、パソコンによって再生させる活動です。
「人に教えることは自分自身の学びにもなる」と言われるように、パソコンに書き順を覚えさせる活動で自分の学びにしていく漢字の学習方法として実践されたものです。
この方法であれば、正しい書き順を意識しながら文字を絵として描くだけで、アニメ化ができるので、子ども達は意欲と興味を持って作成できるでしょうし、完成したアニメを交流し合いながら、そこでも書き順を確認することができます。
自ら活動し、自分の学びと友達の学びの両方を実現できる手段として、大変有効な実践事例であると思います。