よりよい話し合いをするには?

1 多数決に頼る子どもたちへ

学校での学級会や委員会では、子どもたちが意見を出し合って何かを決定する機会がよくありますよね。話し合いをした結果、最後は多数決で結論を出すことが多いようですが、これで本当に良いのでしょうか?

賛成するならその理由が、反対するならその根拠があるはずです。それをしっかり言葉にして共有しないと、話し合いが表面的なものになりがちです。また、多数決という方法そのものが、大人社会の悪い部分を子どもたちがそのまま真似ているようで、少し気になることもあります。

もちろん、限られた時間の中で何かを決めなければならない場面では、致し方ないこともあるでしょう。しかし、可能であれば子どもたちがきちんと意見を交わし、多くの人が納得できる形で物事を決める経験をしてほしいものです。

2 より良い決定の仕方とは

では、子どもたちが話し合いの中でどのように決定をすれば理想的なのでしょうか?以下のような手順を考えてみました。

  • 選択肢の整理と疑問の解消
    まず、いくつかの選択肢を挙げ、それぞれについて「なぜこの案が良いのか」「心配な点は何か」といった疑問を明らかにします。
  • 賛成・反対の理由を話し合う
    それぞれの選択肢について、賛成や反対の意見を理由付きで発表します。
  • 選択肢の絞り込み
    賛成が多い案を残し、反対が多い案や意見の出ない案は除外します。
  • 最終決定
    残った案の中から、最も賛同を集めた案を選ぶか、複数案を組み合わせる形で決定します。

このようなプロセスを、司会役である議長がリーダーシップを持って進めていけば、単なる多数決よりも深い話し合いが可能になります。

単純な多数決では、数の多さや発言力の強さに流され、大事な決定が軽率になってしまうかもしれません。子どもたちには、こうした「数の暴力」に頼る方法ではなく、真の話し合いの経験を通して、お互いを尊重しながら結論を導き出す大切さを学んでほしいと思っています。

「話し合い」という場面でどんな経験を積むかが、子どもたちの未来に大きく影響します。小さなうちからこうした考えを身につけることで、将来、社会に出ても自信を持って意見を交わし合える人に育つのではないでしょうか。