1 習得と活用ってどう違うの?
「習得」という言葉、聞いたことありますか?簡単に言うと、「習って身につけること」です。学校では、新しい内容を先生から教わり理解する「習得」と、その身につけた知識やスキルを使って練習したり応用したりする「活用」がセットになっています。
たとえば、かけ算の勉強で考えてみると…
- 習得:かけ算の式の書き方やその意味を学ぶこと。そして九九を覚えること。
- 活用:九九を使って計算練習をしたり、文章問題を解いたりすること。
学校では、まず「習得」のために時間をかけます。すでに習ったことを使いながら、子どもたちが自分で工夫して考えるのを大事にし、その中から共通するやり方を見つけて合理的な方法を教えていきます。
しっかり理解したら、次は「活用」のステップに進む――これが基本的な流れです。
2 最近の学びのスタイル
でも、最近は少し変わってきているみたいです。年間で授業に使える時間が決まっているので、「習得」にじっくり時間をかけるのが難しくなっています。
今は、こういう方法が増えてきました:
- 先生が「この場合はこうやって式を書く」「答えはこう出す」と効率的に教える。
- 時間を節約して、応用問題や「活用」の練習に多くの時間をあてる。
この方法、実は昔の中学校や塾のやり方に似ています。効率が良いのは確かですが、子どもたちが試行錯誤しながら「こうやったらどうなるかな?」と考える授業は、なんだか減ってきているようです。
でも、どう思いますか?やっぱり、新しいことをただ「教えられる」より、自分で考えて「つかみ取る」ほうが楽しいし、わくわくすると思いませんか?
3 わが子の授業参観で感じたこと
少し昔話ですが、私が息子の授業参観に行ったときのことです。息子が中学年の頃、クラスで自分の考えを発表する授業がありました。息子は、自分の考えがまとまったら、早くみんなに伝えたくて、発表の時間を心待ちにしていました。
その姿を見て、すごく楽しそうだなって感じましたし、親としても誇らしく思いました。子どもが自分で考え、発見し、それを言葉にして伝える――そんな授業って、きっと記憶に残るし、学ぶ楽しさを教えてくれるんじゃないでしょうか。
「習得」と「活用」、どちらも大事。でも、その中に「自分でつかみ取る楽しさ」もぜひ取り入れてほしい――そんなことをふと思いました。皆さんのお子さんは、どんな学び方をしているでしょう?