1 敬語の学習
国語科の学習では、読み取りや漢字が中心の学習の形から日記や作文などの書く学習、話し合いの学習など内容が変化してきています。そんな中でも変化せず、しかも難しくて面白みがあまり感じられないのが国文法でしょうか。
中でも、「敬語」は社会生活の中で身につくもので、理論や文例をじっくりと学習するというのには適していないと考えます。
そんな「敬語の使い方」にスポットを当てたプログラミングの事例が東京都の公立小学校で実施されました。
学習目標は「相手と自分の関係を意識しながら、尊敬語や謙譲語などの敬語の使い方について理解し、進んで使って話したり、慣れたりすることができる。」です。
「敬語」の学習は、普段子ども達が日常的に使わない表現が多く、現実的には経験値も少なく実践場面もあまりないので理解しにくく、身に付きにくい分野と言えます。
英語の学習についてもそうですが、文法的な学習は、無味乾燥なところがあって興味を持って学習するには工夫が必要となるでしょう。
2 プログラミングで実践
そんな興味・関心を持たせるには難しい学習にプログラミングを取り入れると、話は変わってきます。
アニメ的な表現、合成音声、選択式のはめ込みブロックなどのツールで、授業に視覚・聴覚・触覚を活用した味付けができるわけです。
具体的には、電話の受け答えの文の空欄に、敬語や謙譲語、普通の言い回し等の選択肢をはめ込んで、吹き出し付きアニメに表現させて、その対応の評価を自動でするものです。
正しい言葉づかいであれば、電話の相手が「たいへんよくできました」と言ってくれます。半分適切あるいは普通の言い方等であれば、「よくできました」となります。言葉の使い方が明らかにおかしいとなると「もう少しがんばりましょう」となります。
話の相手が、「お母さん」「校長先生」「本屋の店員さん」「クラスの〇〇くん」と4つ設定されています。選んだ相手の文章に適切な言葉をはめ込んで、黒板上方に設置されたボタンを押すと、アニメが話し、評価がなされるしくみです。身内なのかどうか、目上の人かどうかという点に焦点を当てた練習となっています。
手間はかかりますが、何度でも練習できて面白いプログラムです。「定義ブロック」を用意して、難しいプログラムを裏側に隠して分かりやすい形となっています。